歯医者が怖い・痛いのが苦手な方へ|通うための工夫
2026.06.15
「歯が痛い気がするけれど、歯医者はどうしても怖い」「予約しようと思っても、あの音や痛みを思い出すと足が止まってしまう」——そんな方は、決して少なくありません。大人になっても歯医者が苦手で、つい後回しにしてしまう。それはとても自然な気持ちです。
西大島ハートフル歯科の院長である私(石橋)自身も、実は子どものころから歯の治療が苦手で、痛いことが怖い性格でした。だからこそ、「どうすれば怖くないか」「どうすれば痛みを抑えられるか」を、患者さんの側の気持ちとしてずっと考えてきました。
この記事では、歯医者が怖いと感じる理由と、当院が痛みを抑えるために行っている工夫、そして無理なく通い続けるためのコツを、できるだけやさしくお伝えします。読み終えるころには、「これなら一歩を踏み出せそう」と感じていただけたら嬉しいです。
この記事のポイント
- 歯医者が怖いのは「過去の痛い記憶」「音やにおい」「何をされるか分からない不安」が主な理由
- いまの歯科治療は、表面麻酔・極細の針・電動麻酔器などで痛みをかなり抑えられる
- 「怖い」「痛いのが苦手」と最初に伝えてもらえれば、その方に合わせて進められます
- 怖い方ほど、痛くなる前の「予防」で通うと、怖い記憶の悪循環を断ち切れる
- お子さまの歯医者デビューも、急がず慣れることが何より大切
なぜ歯医者は「怖い」と感じるのか
「怖い」と感じるのは気のせいでも、わがままでもありません。多くの場合、はっきりとした理由があります。
- 過去の痛い経験の記憶:子どものころや以前の治療で痛い思いをした記憶が残っている
- 音・におい・振動:歯を削る機械の音や独特のにおいが、不安をよみがえらせる
- 何をされるか分からない不安:見えないところで何が起きているのか分からない
- 痛みへの予期不安:「また痛いのでは」という想像が、実際以上に恐怖を大きくする
こうした不安は、適切に対応すればやわらげられるものです。大切なのは「怖いのは自分だけではない」と知り、その気持ちを我慢せずに歯科医院側へ伝えていただくことです。
院長自身も、歯医者が苦手でした
少し私自身の話をさせてください。祖父も父も歯科医師という家庭に育ちながら、私は子どものころ、歯の治療がとても苦手でした。痛いことが怖く、今でも「痛いのは嫌だ」という気持ちはよく分かります。
歯科医師になってからも、その記憶は消えていません。むしろ、「自分が患者だったら、どうしてほしいか」をいつも考える原点になっています。自分や自分の家族が受けても納得できる、できるだけ痛くなく、安心して通える治療を——それが当院の診療の出発点です。
おさえておきたいこと
「怖い」という気持ちは、治療の妨げではなく、むしろ大事な情報です。怖さや苦手さを教えていただけるほど、その方のペースに合わせて、丁寧に進めることができます。
痛みを最小限にするために当院がしていること
「歯科治療=痛い」というイメージは、いまの歯科ではかなり変わってきています。当院では、特に痛みを感じやすい麻酔の場面で、次のような段階を踏んでいます。

- 表面麻酔:はじめに歯ぐきの表面に麻酔のお薬を塗り、針の「チクッ」を感じにくくします
- 極細の針:できるだけ細い針を使い、刺すときの刺激を抑えます
- ゆっくり・一定の速さで注入:麻酔液を急に入れると圧で痛みが出やすいため、ゆっくり一定のスピードで入れます
- 声かけと合図:今から何をするかをお伝えし、つらいときは手を挙げる合図を決めておきます
治療の痛みの感じ方には個人差があり、「まったく痛くない」「痛みがゼロ」とお約束することはできません。当院がお伝えできるのは、「できる限り痛みを抑える工夫を尽くす」ということです。痛みや不安が強い場合は、無理に進めず、その日にできる範囲から始めることもできます。
なお、強い恐怖心がある方向けに、点滴でうとうとした状態にする鎮静の方法を取り入れている医院もあります。ご希望や必要性については、診察のうえでご相談ください【要医院確認:当院での鎮静法の対応可否】。
通いやすくするための、ちょっとした工夫
痛みへの配慮だけでなく、「通いやすさ」そのものを整えることも、怖さをやわらげる大切な要素です。ご自身でできることと、遠慮なくお願いしてよいことがあります。
- 最初に「怖い」と伝える:苦手なこと、過去につらかったことを最初に共有していただくと、それに合わせて進め方を変えられます。我慢して伝えないより、ずっと楽になります
- 「何をするか」を先に聞く:見えないところで進むと不安が増します。今から何をするのか、どのくらいかかるのかを先に確認しておくと、心の準備ができます
- 合図を決めておく:「つらくなったら手を挙げる」と決めておくだけで、「いつでも止められる」という安心感が生まれます
- 体調と時間帯を選ぶ:寝不足や疲れているときは不安を感じやすいもの。比較的余裕のある時間帯を選ぶのもおすすめです
- 短時間から慣れる:一度に頑張ろうとせず、短い処置から少しずつ。通えた経験の積み重ねが自信になります
おさえておきたいこと
これらは「わがまま」ではありません。安心して治療を受けられる状態をつくることは、結果的に治療の質にもつながります。遠慮なくお申し付けください。
怖い方ほど「予防」で通うと楽になる
意外に思われるかもしれませんが、歯医者が怖い方にこそおすすめしたいのが、痛くなる前に通う「予防」です。
痛くなってから駆け込むと、治療は大がかりになり、痛みや回数も増えがちです。すると「やっぱり歯医者は怖い・痛い」という記憶がまた強くなり、足が遠のく——この悪循環が、歯医者嫌いを深くしてしまいます。
一方、痛みのない健康な状態でクリーニングや検診に通えば、「歯医者は痛くないところ」という経験が積み重なります。これが、怖さをやわらげる一番の近道です。当院の痛みの少ない・削らない治療や予防歯科の考え方も、ぜひあわせてご覧ください。
お子さまの「歯医者デビュー」を怖くしないために
小さなお子さまをお持ちの方からは、「子どもが歯医者を怖がって困る」というご相談をよくいただきます。お子さまの歯医者嫌いは、最初の数回の印象でほぼ決まると言われます。
- 痛い処置から始めない:まずは雰囲気に慣れる、椅子に座ってみる、お口を見るだけ、と段階を踏みます
- 「痛い」「怖い」と言わせない声かけ:ご家庭でも「痛くないよ」より「きれいにしてもらおうね」と前向きに
- 泣いても叱らない:泣くのは自然なこと。少しずつできることを増やしていきます
- がんばりを一緒に認める:できたことをほめて、通うこと自体を前向きな体験にします
急がず、お子さまのペースで「歯医者は怖くない場所」という記憶を育てていくことが、将来の歯の健康につながります。
よくある質問
Q. 麻酔の注射そのものが痛いのが苦手です。
A. まず歯ぐきに表面麻酔を塗ってから、できるだけ細い針でゆっくり麻酔します。チクッとする刺激をできる限り抑える方法をとりますので、注射が苦手な旨を最初にお伝えください。
Q. 治療の途中で「つらい」と思ったら、止めてもらえますか?
A. もちろんです。事前に手を挙げる合図を決めておき、つらいときはいつでも中断できます。一度に無理をせず、その日にできる範囲から進めることもできます。
Q. 何年も歯医者に行っていません。怒られませんか?
A. 叱ることはありません。通えなかった事情は人それぞれです。今日いらしていただけたこと自体が大切な一歩ですので、安心してお越しください。
Q. 治療は何回くらいかかりますか?
A. お口の状態によって異なります。初回にお口を確認し、どのくらいの回数・期間がかかりそうかをご説明します。怖さに配慮して、ペースを相談しながら進めます。
Q. まずは相談やカウンセリングだけでも大丈夫ですか?
A. はい。いきなり治療をするのではなく、お話を伺い、お口の状態を確認するところからで構いません。不安なことを遠慮なくお聞かせください。
Q. 子どもが泣いてしまいそうで心配です。
A. 泣いても問題ありません。最初は慣れることを優先し、できることから少しずつ進めます。保護者の方も一緒に付き添っていただけます。
まとめ
- 歯医者が怖いのは自然なこと。理由(痛みの記憶・音・予期不安)を知ることが第一歩
- いまの歯科は、表面麻酔・極細の針・ゆっくりの注入などで痛みをかなり抑えられる
- 「怖い」「痛いのが苦手」と最初に伝えてもらえれば、その方に合わせて進められる
- 怖い方ほど、痛くなる前の予防で通うと、怖い記憶の悪循環を断ち切れる
- お子さまは急がず、「歯医者は怖くない場所」という経験を少しずつ積むことが大切
歯医者が苦手だった私自身の経験も踏まえ、西大島ハートフル歯科は「痛くない・安心して通える」治療を大切にしています。一歩を踏み出せずにいる方は、まず「怖いんです」のひと言からで構いません。どうぞお気軽にご相談ください。
《出典》厚生労働省 e-ヘルスネット「歯科麻酔」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

監修:石橋 弘行
西大島ハートフル歯科 院長
日本抗加齢医学会 / 日本口腔インプラント学会 所属。POIインプラント認定医。
祖父・父に続く三代目の歯科医師。日本歯科大学歯学部を卒業後、歯周病・入れ歯・根管治療など各分野で研鑽を積み、2018年に西大島ハートフル歯科を開院。自身が治療の痛みを苦手としてきた経験から、『痛くない・楽に受けられる・安心して通える』治療を追求し、予防を中心に、自分や家族にも納得して施せる快適で長持ちする歯科医療に取り組んでいます。